エリーパワー株式会社(川崎工場)

自社電池工場の非常用電源として蓄電池を導入

川崎にある当社の工場は、SANADA Methodにより全工程をフルオートメーション化することで、異物の混入を防ぎ、極めてクリーンな環境を維持しています。これにより、高安全で高品質な電池の生産を実現しています。
リチウムイオン電池の製造では、水分が性能や安全性に大きく影響するため、湿度をほぼゼロに近づけた「ドライルーム」と呼ばれる極乾燥環境で行う工程があり、工場内にはその環境を維持するために重要な装置があります。
工場では特に湿度管理に細心の注意を払っており、
災害時でもこの湿度管理を維持するため、非常用電源として汎用型産業用蓄電システム「Power Storager GX(パワーストレージャー ジーエックス)」を導入し、安定した生産体制を支えています。

ポイント

用途や設置環境に応じて最適な蓄電容量をセレクト
本製品は、幅広い蓄電容量数に対応できる豊富なモデルを取り揃え、用途や屋内・屋外の設置環境に応じて最適なシステムを選定できます。
当社では、電池製造工程で使用する機械が多く稼働する工場棟には最大容量モデル(蓄電池容量:1,006kWh)、照明など限られた負荷が中心となる事務所棟には最小容量モデル(蓄電池容量:22.5kWh)を導入し、効率的かつ安定した電力供給を実現しています。
蓄電池容量
工場棟のバックアップ 最大1,006kWh
事務所棟のバックアップ 最大22.5kWh
太陽光発電と組み合わせバックアップ体制を強化
工場の屋上に設置された太陽光パネルと接続し、ピークシフトを目的とした電力運用を行っています。
昼間は太陽光で蓄電池を充電し、夜間や停電時には蓄電池から電力を供給することで、電力使用の最適化と非常時対応を同時に実現。
運用実績は、Webブラウザで誰でも簡単に確認でき、蓄電池の稼働状況や効果を分かりやすく把握できます。
視覚的なグラフや数値表示により、専門知識がなくても直感的に理解できる設計となっており、日常的な運用管理にも役立てています。
※:蓄電池に貯めた電力を電力消費が少ない夜間や早朝に使うこと
導入後すぐに発生した停電
この蓄電池は、UPS(無停電電源装置)と同等の停電保護機能を備えており、停止が許されない重要負荷に対する電力供給手段として最適です。
蓄電池を導入して間もない2025年4月末、瞬間的な停電が工場周辺で発生しましたが、蓄電池が停電を即座に検知し、自立出力へ切り替わったことで、電力供給が途切れることなく続き、ドライルームの湿度を維持することができました。
※:停電時に蓄電池に蓄えられている電力を供給する出力系統
今回の導入により、停電時でも重要負荷への安定供給と生産の信頼性を維持し、事業継続に貢献しています。
今後は、この自社導入を通じて実績を拡充し、運用データを蓄積することで、製品開発や品質改善へとつなげていきます。