#3 志を共にする創業メンバー、本気の社長に惹かれた仲間たち

「本格的な大型蓄電池の専門メーカーとして会社を作る。誰も挑戦していないからこそビジネスとして勝機がある」。そんな思いを胸にエリーパワーの歴史は、2006年吉田の69歳の誕生日に4人の仲間とともにスタートした。

代表取締役副社長執行役員 兼 CTOの河上清源(かわかみ きよもと)は慶應義塾大学大学院の電気自動車の開発プロジェクトで講師をしていたとき、吉田から声をかけられた。
「ある日、吉田社長(※当時)に呼ばれ、電池の会社をやるぞと言われました。『え!?』ともちろん驚きましたが、せっかくのチャンスなのでやれるだけやらせていただこうと考えました。社長のこの電池が完成すれば新しい社会が実現するはずだという考えに私も共感していたので、少しでもお役に立てればという思いで決断しました」(河上)。
「河上君はなかなか辛抱強い人で、他の人が放り出してしまうような研究室の膨大なデータの整理もきちんと仕上げてくれる。5年くらい一緒にいてそういうところが分かってきました。困ったときでもずっとやり続けられるのが、彼です。この人とだったら一緒に組めると思いました。河上君がいなかったら、この会社を作らなかったかもしれません」(吉田)。

常務執行役員の小田佳(おだ けい)は、大学院生時代に河上が講師をつとめていた電気自動車プロジェクトに参加しており、卒業後は慶應義塾大学大学院の助教の職に就いていた。
「小田君は当時大学の研究室で助教になったばかり。PCやソフトウェアに強く、なんでもできる人。声をかけたら来てくれて、当初は秘書的な仕事をやってくれました。小田君もいなかったら苦労したでしょうね」(吉田)。
「がっと社長に腕を掴まれて『会社を作るので腕を貸して欲しい』と言われました。その力からしてこれは本気中の本気だ。もうやるしかない、ついていくしかないと考えました。社長について行けば、必ず成功するだろうと思いました」(小田)。

多様なメンバーがいるから実現されるイノベーション

エリーパワーでは従来ビジネス的には不可能と思われていた、「積層式」の電池にこだわり続けている。

「積層式」はその名のとおりエレメントを層状に重ねていく製法で、「巻回式」よりもエネルギー密度をフルに発揮できる反面、生産性が落ちるというデメリットがある。そこで吉田は「積層式」の生産性を向上させるべく、当時20人ほどいた社員からアイデアを募ることにした。その結果、現在の技術開発の執行役員が画期的な方法を編み出した。
「4年かけて積層式の蓄電池を効率的に生産する機械を完成させました。それでも、純粋な生産性だけを見れば巻回式には敵いません。しかし、巻回式は内部に熱が籠もるので、安全性の面で若干の不安があります。積層式であれば熱が分散されるので、安全性の面では有利です」(吉田)。

不可能を可能にしたのは、多様なメンバーが揃っているからだ。

「僕1人ではなにもできません。だけど、個性の違う人がいるからそれぞれが強みを伸ばしていけば組織を作っていける。そう思ったんです」(吉田)。
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