一般的に電池の安全性試験は、未使用時のバッテリーに対し、内部短絡試験等を行っています。
リチウムイオン電池の事故は、繰り返し使用された後に起こることが多く、未使用時のバッテリーへの試験では充放電を繰り返すことで高まる安全性の低下リスクを評価することができません。
エリーパワーは、「災害の多い日本において、電力貯蔵用リチウムイオン電池の普及には、何よりも安全性が不可欠である」との信念のもと、2006年の創業以来、一貫して「安全性第一」の姿勢で電池の開発・製造に取り組んできました。
電池の安全性は、未使用時はもちろんのこと、想定使用期間中にも担保されていることが重要であると考え、
会社独自で長期間使用した後の電池セルに対する安全性試験も実施しております。
■使用した電池:当社蓄電システムに搭載しているHY battEliiy(HYバッテリー)Lシリーズ
■使用期間:2014年4月~2023年5月
■使用場所:滋賀県に設置した百葉箱の中
■使用回数:約26,000サイクル
■試験内容:釘さし試験(電池セルに釘を刺し、内部短絡を発生させ強制的にショートさせる)
大型リチウムイオン電池「26,000サイクル後の釘刺し試験」(YouTube)
・再生時間:2分22秒
・公開日時:2023/6
釘刺し試験の結果、対象の電池セルは、発火・発煙せずに、安全に機能停止することを確認できました。
試験結果の電池セルの電圧、映像・温度グラフにあるように、対象の電池セルは、釘を刺した後でも、発火・発煙することなく、かつ、熱暴走となるような急激な温度上昇が発生していないことがわかります。
従って、当社電池セルは、未使用時だけでなく、26,000サイクル経過後も、安全性を保っていることが確認できました。
当社が誇る「創業以来、電池起因の事故ゼロ」という実績は、2006年から日々積み重ねてきた安全性重視の技術開発、極めてクリーンな環境を実現させた国内自社フルオートメーション工場での高品質な生産体制、そして、このような自社独自の実使用を想定した厳しい試験の徹底が支えております。